ILACで英語力を伸ばしたことで現地カレッジに進学でき、カナダの看護師免許を取得できました。
関東圏の大学病院で看護師として5年勤務したあと、社会人留学をしました。留学を考えるきっかけとなったのは、受け持ちの患者さんに将来のキャリアについて聞かれた時でした。
それまでは、収入や仕事は安定しているけど、仕事を辞める理由もないし、辞めたとしてやりたいこともないし…と漠然と考えながら仕事を続けていましたが、その患者さんから「若いんだから海外にいってみたらどう?」と提案されました。
私にとってはそれまで考えたこともない発想だったので、正直なところ最初はすぐに行ってみよう、と決断はできませんでした。
しかし自分なりに海外留学について調べ始め、都内にある留学会社が提供している留学セミナーや留学無料相談会などに参加して情報収集していくうちに、楽しそうと思い始めました。
情報収集は社会人3年目のときから始めたのですが、資金を貯めることや準備期間(文法や単語の学習など)としてきりの良い5年目までは日本で働くことに決め、その後日本を出国し留学生活が始まりました。
特に行きたい国はなく、留学セミナーや相談会に参加して情報収集してから決めようと思っていて、人気の留学先はオーストラリア やカナダ、アメリカの西海岸の地域と教えてもらいました。
一番重視したのは治安で、安全に長期的に生活できる国に行きたかったので、カナダがいいなと思い始めました。
さらにカナダ人の英語はアクセントが強くなく発音もクリアーで、アメリカ人よりもゆっくり話すとも教えてもらい、英語学習初心者の私に向いていると思いました。(実際現地に住んで思うことは、人によって早口の人もいますし一概には言えません。)
またカナダは寒いイメージがあるかもしれませんが、東北出身の私は寒い気候や雪には慣れていましたので、気候については特に気になりませんでした。私が留学したバンクーバーは、カナダ全土で冬に一番暖かい都市で、日本の地元の方がもっと寒いと体感しました。
ありきたりかもしれませんが、視野が広がって価値観やものの見方がかなり変わりました。
留学する前までに知らなかった世界のことをたくさん知る機会があり、日本人にはあまり馴染みのない各国の宗教や文化、食事の違いなどを人との交流、日々の生活を通して学びました。
カナダは移民国家で、バンクーバーは多国籍の移民者がたくさん住む魅力的な街です。そのため現地に行かなくとも本格的な韓国料理が食べられたり、インドや中東系のショップで買い物ができたりと世界旅行をしているような気分にもなれます。
また日本はMonoculture (単一文化)で、ある程度足並みがそろった考え方や理解をしますが、そのようなスタンダードは存在しないことを思い知らされました。
カナダに住む人々の主張の強さに戸惑うこともありましたが、それは生きていくに必要なことですし、裏を返せば日本の文化は謙虚さや協調性を重んじる素晴らしい文化だとも再認識しました。
留学で苦労したことはなんといっても言語の壁です。言っていることが理解できない、言いたいことが伝えられない場面が辛かったです。
留学生活数週間経った頃に、スカイトレインに乗ろうと定期パスを改札でタッチしたのですが、改札を通れなくて理由がわからず困り果てていました。駅員も見当たらず駅に設置してあった電話でヘルプの連絡をしてみたのですが、「そんな駅は存在しない」「何を言っているのかわからない」などと言われ切られてしまい、かなりショックを受けました。
その後ちょうど駅員が現れて改札を通れないことを伝えると、チャージがマイナスになってるんだよと教えてもらい救われ、その経験から学びました。
他にも私の英語がうまく伝わらない場面が幾度とありましたが、その度に成長したと感じています。
クラスは先生1人に対し学生は多くても15人程度でした。レベルによって使う教科書が異なり、そのレベルにあった文法や単語を学習します。
先生によっては教科書をほとんど使わず、他の教材を配布して進める方針の場合もありました。毎日ではないですが宿題も出されるので、放課後の学習時間の確保も必要でした。
4技能まんべんなく学習していく授業スタイルで、日本でいう教科書を読んでばかりの授業ではなく、ゲーム感覚でチーム対抗戦で競ったり、伝言ゲームをしたりと体を動かしながらの授業が多かったです。
特にランチの後だと、座ってばかりだと眠くなる学生も多いのでその対策のためか、午後最初は立ってスピーキングからという工夫もされてました。
ILACはEnglish Onlyポリシーがあるので、学校内で母国語を話すと『English please』注意されます。また授業開始してから10分遅れると教室に入室できない規則もあり、1コマ目が終わるまで外で待たされている学生もいました。
それだけ英語をしっかり学びたい人へ向けて環境が整っていると感じました。
私が通学していたときは、4週に1回金曜の午前の授業後にアクティビティの時間があり、クラスメイトと先生で思い出をつくるという日がありました。
ほとんどの場合学生の希望で決めるのですが、公園でピクニック、レストランでランチ、ボーリングなどがあり、授業と関係なく強制ではないので参加しない人もいました。ひとりでは入りにくいレストランも先生とクラスメイトとなら安心でしたし、特に印象に残っているのはクラスメイトそれぞれが一品持ち寄って、イングリッシュベイという砂浜でピクニックしたことです。
バンクーバーの夏は暑すぎず湿度が低く快適で、外に出ないともったいないと感じるほどです。ただ紫外線が日本に比べて強いので、サングラスの着用や日焼け対策は必須です。
また校舎内に、提携しているツアー会社のアクティビティデスクがあり、毎日何かしらのアクティビティが開催されていました。デスクでの予約は簡単で、無料のヨガ体験から、週末のロッキーマウンテンバスツアーまで多種ありました。
通学中仲良くなった韓国人の友人らと日帰りシアトルツアーに参加したのが思い出に残っています。
初日にレベル分けテスト(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング全て)を受けて最初のクラスが決まるのですが、General EnglishコースのLevel 6の中級クラスからのスタートでした。
日本にいる間に単語を一つでも多く覚えたり、教材を使って文法の復習をしていましたが、最初のクラスでは先生の言っていることが理解できなかったり、言いたいことが何も言えなかったりとかなり悔しい思いをしました。
私は54週(1年)通学したのでLevel 15まで上がって卒業できました。最初の3ヶ月での伸びが一番感じられて、先生の言っていることがわかるようになったこと、英語を話す夢を見るようになったことが印象的だったのを今でも覚えています。
順調にレベルが上がっていったのでバンクーバーでカレッジに進学しようと考え始め、Level 13の時にIELTS Preparationコースに移りました。
放課後IELTSの勉強に時間をあてたかったので、それまでとっていたパワークラスを辞めたいと日本人受付スタッフに相談したのですが、既に支払っていたパワークラスの分をメインクラスにあてて通学期間を延長してくれました。
カレッジ入学要件を満たすIELTSのスコアを取るためにだいぶ苦労して勉強しましたが、IELTSコースを受け始めてから3ヶ月経ったときに受験し、1発でカレッジ合格のスコアをとることができました。
ILACの教師陣はとても質が高いです。大学で英語学を専攻していた方や、修士号をもっている方、IELTSやTOEFLで他人に教えられる教育を受けてきた方々でした。
ILACで教師として働くにも厳しい試験を受けて合格しなければならなかったと聞きましたので、なるほどと思いました。
授業中分からない箇所は親切に説明してくれますし、休み時間に個別に補足説明してくれたり、先生がもっている参考書をコピーしてくれたり、無料英語学習サイトを教えてくれたりとサポートは十分でした。
日記を書いて添削してもらっているクラスメイトもいましたし、ワーホリで仕事を得るのに先生にリファレンスしてもらっている人もいました。
もし担当の先生が合わない場合は、同じレベルの他の先生にクラスを変えることも可能でした。
受付スタッフの方々も親切で、拙い英語でも理解しようとしてくれますし、クラス変更の申請もスムーズに処理して結果をメールで連絡してくれました。なぜクラスを変更したいかもちゃんと聞いてくれて、学生からのフィードバックを取り入れているようでした。
初級、中級レベル(Level 2-9)には韓国人や日本人などのアジアからの留学生が多いです。他にメキシコやブラジル、チリなど中南米からの留学生が多く振り分けられていました。しかし圧倒的にアジアからの留学生はスピーキングが苦手で、文法やリーディングは得意という特徴があると感じました。
中南米からの留学生はその逆で、スピーキングは得意だけど文法をよく理解していないのでこのレベルにいるといった印象です。
上級(Level 10)レベル以上になると、アジア人はいますがフランスやドイツ、スウェーデンなどヨーロッパ各国からの留学生が増えます。彼らはもともと英語を使えるレベルで留学しているので、同じクラスにいてもレベルの違いに圧倒されるかもしれませんが、とてもよいお手本となります。レベルが高くなるにつれて、クラスメイトの英語の使い方から学ぶことが増えました。
仲良くなれば、放課後に一緒に公園に行ってピクニックをしたり、図書館でテスト勉強をしたりと学校以外でも英語を練習する機会ができるので、授業は休まず行きました。年齢層は幅広く、16歳の高校生から60代の方までいましたが、圧倒的に多いのは20代の学生でした。
バンクーバーはとても過ごしやすい街です。治安もいいですし、アジア圏からの移民が多いので、アジアの文化もあり、日本食レストランに行けば日本の味が食べられます。
冬はレインクーバーと言われるほど雨ばかりの日が続きますが、他のカナダの都市に比べ気温がそこまで下がらないので雪が降ることもそんなになく、積もったとしてもすぐに溶けます。
公共交通機関が発達していて、バスに乗ればどこへでも行けますし主要路線では本数も多いです。ナイトバスも運行していて、本数は限られますが夜中でも家に帰れるので安心です。
スカイトレインは無人の電車ですが、日本と違い遅延することはほとんどなく、車内はきれいでホームレスの人はほとんど乗ってきません。(バスでは路線によっては見ます)。
チャイナタウンに危険地域はありますが、そのエリアさえ避ければ日常生活で身の危険を感じることはほとんどありません。
私自身の経験談で通学中に財布をバスの中で落としたことがあったのですが、財布も中身も盗られることなく数日後に落とし物センターで受け取ることができました!クレジットカードや身分証すべてその財布に入れていて、日本と違ってもう戻ってこないだろうと絶望していたのですが、心優しいひとがバスの運転手に届けてくれたようでした。
私はラッキーでしたが、駅から離れた人の少ないエリアで日本人留学生が帰宅中に恐喝されたというエピソードもありましたので、海外にいるという危機感は持っていた方が良いです。
留学初日から4ヶ月間はフィリピン人のご家庭にホームステイしました。留学生は私だけで、3食付きで学校の日はランチボックスを持たせてくれました。
食事内容は他の留学生からもうらやましがられるほどのもので、ちゃんとしたものを準備してくれましたし、フィリピンの家庭料理は私の好みに合うものでした。時にはコストコで買ってきたチキンやKFCなど、ファストフードが夕食の時もありましたが毎日ではなかったので不満はありませんでした。
そのファミリーには高校生と中学生のお子さんがいて、週末は一緒にトランプをしたり、公園にピクニックに行ったりと交流もありました。
バンクーバーでの生活に慣れてきた頃に、日本人向けのウェブサイトを使って家探しをして、ダウンタウンのコンドミニアムに引っ越しました。韓国人の留学生3人と私の4人での生活で、お米や調味料が家賃に含まれていたのでとても助かりました。
韓国と日本の文化は似ているのでお互い配慮しあって生活してトラブルなく生活できました。月に1回ルームメイト全員で大掃除をするので、清潔さは保たれていてトータル2年間そのコンドミニアムで生活しました。
ホームステイの頃はスカイトレインを使って郊外から通学していたので、ダウンタウンに引っ越してからは通学がだいぶ楽になりました。中国系、韓国系のスーパーが近くにあり、自炊のための買い出しも楽でした。
ILAC通学中にIELTSのスコア提出と面接により、ナーシングカレッジの合格をもらえたので、卒業後にカレッジ進学しました。
ILAC通学中に培った英語力は今思い返すと基礎中の基礎といったもので、カレッジに進学してからも日々英語の練習に明け暮れました。
しかし、ILACで基礎を固めていたので、あとは実践あるのみと肝に命じて、使える英語を日々練習することによって、最終的にはカナダで看護師免許を取得できました。
日本で看護師の仕事を5年していたので、看護の知識や技術は同じなのですが、全てが英語なので看護師の免許をとれるレベルの英語力に達するまで相当の努力が必要でしたが、継続して学習することで達成できました。
今でも思うのが、ILACで勉強した文法、単語などを今日常生活で使っていることです。新聞が読めるようなり、テレビのニュースが理解できるようになったのも、ILACでの下積み時代があったからです。
バンクーバーに語学学校はたくさんありますが、ILACを選んで私は良かったと思っています。ILACでは英語の勉強をするという目的の先の、英語を使えるようになって何をするかまでサポートしてくれる学校でした。
カレッジや大学と提携しているパスウェイコースもありますし、私が在籍していたIELTSコースではスコアをとってカレッジに進学したい、移民をしたい、資格を取りたいなど目的意識をもった学生が多くいましたので、真剣に学びたいと考えている方にはおすすめの学校です。
とはいってもアクティビティもありますので、授業以外でも滞在中オフの時間を楽しむことができると思います。パンデミック以降オンライン授業も始めたようですので、現地に行くことが難しい方もリモートで学習できるそうです。
留学は人生を変えます。これから留学する方、最初は不安かもしれませんが結果的になんとかなるものです。みなさんの留学が成功しますよう、応援しています。